コーヒー屋さんで働いている方や、コーヒーについてもっと学びたいと考えているなら「コーヒーの資格」について調べたことがある方も多いのではないでしょうか。
コーヒーの資格にも「コーヒーマイスター」「コーヒーソムリエ鑑定士」などなどたくさんありますが、その中でも「バリスタライセンス」というのはエスプレッソに特化した資格となります。
私もエスプレッソについてもっと学びたいと思い、バリスタライセンスレベル1を取得しました!
受講するまでは、
- スクールってどんな雰囲気なのか
- 内容についていけるだろうか
- 安くはない受講料でどれだけの価値があるのか
と挑戦したい気持ちと不安がありました。
この記事では、
- スクールや試験を受けてみた感想
- バリスタライセンスを取得するメリット・デメリット
- こうしたらよかった!
といったライセンス取得までの間に思ったことを綴ってみようと思います!
悩んでいる方の参考になれば幸いです!
目次
バリスタライセンスレベル1取得までの流れ
まずバリスタライセンスにはレベル1〜3という3段階の難易度に分かれており、一番最初に受けるのがレベル1になります。
レベル1を取得するまでの流れが以下の通りです。
- スクールに応募(受講料振り込む)
- 2日間の講習を受ける(座学・実技)
- 試験に応募(試験料振り込む)
- 試験を受ける
- 試験の1〜2週間後に結果が郵送で届く
- 合格していればライセンス取得料を振り込む
- ライセンス証明書、バッヂが届く
試験を受けるには「JBA認定校レベル1スクールの有効な修了証」を持っている必要があります。
これはコーヒーの専門学校に通っていたことがない限り持っていない方がほとんどだと思うので、スクールに申し込んで2日間の講習を受け修了証を取得する必要があります。
私の場合はスクールの応募から試験日まで4ヶ月ほどかかりました。
講習の雰囲気
どんな人たちが来るのか、どんな雰囲気なのかが一番気になりますよね。
私の想像ではいろんなお店のバリスタたちが集まって、高度な話が行き交ってるのではと不安を募らせていました(笑)
実際スクールに来られていた方は同じ20〜30代の男女5人。
全員コーヒー屋で働く現役のバリスタたち。
みんな落ち着いてたり、ほわほわした感じの雰囲気で、終始和やかでした。
講師はベテランのバリスタ2名で進んでいきます。
1日目(座学)
1日目は主に座学。
コーヒーの基礎知識、エスプレッソマシンの構造、抽出の仕組み、JBAとしてのエスプレッソ・カプチーノの知識について学んでいきます。
こちらの方は教科書に則って進みますが、一般的なコーヒーの知識があれば理解が早いかもしれません。
心配な方はコーヒーの本をいくつか読んでおくと安心かもしれません。
エスプレッソのテイスティングも講習内容に含まれており、やり方や評価の仕方なども実践していきながら学びます。
なので結構エスプレッソを飲むことになるので、普段エスプレッソを飲まない方はしんどいかもしれません。
2日目(実技)
2日目は主に実技の練習を行っていきます。
エスプレッソの抽出技術、カプチーノの製造技術を学び、正確な作業と動作で一定の時間内に抽出できるように練習します。
普段エスプレッソマシンを触っていれば操作に問題はないはずです。
スクールにあるエスプレッソマシンやグランダーは、講師の方が使い方をちゃんと教えてくれます。
操作方法がわかればあとは「正確な作業と動作」「一定の時間内に抽出」といった試験合格に向けた練習になっていくと思います。
個人的に感じたのは普段ラテしか淹れてなかったので、カプチーノの感覚を掴むのに少し時間がかかりました。
お店で練習できる環境があればカプチーノの練習もしておくといいかもしれません。
講習を終えて
詳しい内容については明記できないのでサラッとしたご紹介でしたが、2日間みっちり勉強!という感じなので、一気に疲れると思います。
個人的にはお昼ご飯を買いに行く手間を省くためにも、おにぎりなどを持参しました。
スクールで食べるのでにおいが強いものは避けたほうが無難かと思います。
エスプレッソのテイスティングなどもあるので、味の濃いものや辛いものも避けたほうがいいと思います。
人見知りなのでドキドキしましたが、最終的にはお互いのお店の話をしたり、情報交換などもできてとても有意義な時間だったと思います。
試験までの2ヶ月、教科書を何度も読み返したり、自分のお店で試験のイメトレをしてみたりする日々でした。
ちなみにひとつ後悔したことは、試験日に近い講習日を選べばよかった!ということ。
座学はともかく実技で学んだことは、イメトレを重ねても日に日に忘れていく一方。
試験までの間に日が空き過ぎてしまうと、感覚を忘れてしまうので講習日はなるべく試験日に近い日程がおすすめです。
迎えた試験当日
試験会場には同世代の女性(全員!)が15人ほど集まり、試験管は3〜4人いたと思います。
割とみんなおしゃべりしていて、緊張というよりは和やかな雰囲気でした。
ここで一緒に講習を受けた方もおられ、戦友みたいな安心感が芽生えました(笑)
前半に筆記試験、後半に実技試験といった流れでした。
試験が始まるとなると一気に会場の緊張感が高まり、特に実技は全員が見ている状況で試験を受けるので、自分の番が近づいてくるにつれて心臓がバクバクしました。
とはいえここまでくると今までやってきたことをやるしかない!この試験受けるのにも2万円近く払っているのだから!と自分を奮い立たせ、なんとかやり切りました。
受講者の中では一番早いタイムを叩き出しましたが、かえって「何か忘れている工程があるのでは…?」と不安になりました。
これも試験管が教えてくれるわけでもなく、試験結果が届くまでわからないことなので試験結果を待つのみに。
個人的な感想として、服装の指示は特になかったものの自分のお店の制服であるロンTで行ったのですがこんな格好しているのは一人だけで超浮いていたと思います。
みんな襟シャツでザ・バリスタ☆といった格好でめちゃ不安になったので、気になる方は襟シャツが無難かと思います。
試験結果は郵送で届き、発送通知がメールで届き、1週間以内には届いていたと思います。
試験結果は…
試験結果は無事に合格!
まずは追加で受験費用がかからないことに一安心☆(そこ?)
でも合格通知には「ライセンス取得料」を払えという文言・・・
(何回お金払うねん・・・)
バリスタライセンスレベル1取得までにかかった費用
- スクール受講(2日間)40,700円
- 試験費用18,700円
- ライセンス取得料18,700円
合計78,100円(税込)
バリスタライセンスレベル1を取得するのに約8万円かかります。
これは安くない金額です。
さて気になるのは、果たして8万円かけてどれだけのメリットが得られるのかどうかという点です。
メリット
話に説得力が生まれる
「バリスタライセンス」というコーヒーの資格を持っている、というだけである程度の説得力が生まれると思います。
いろんなサイトや動画が溢れている中で、コーヒーに関する発言は人によってさまざま。
何を信じるかはその人次第ですし、JBAバリスタライセンスが正解とは言わないですが、バリスタ同士での会話やお客さんとの話にも説得力が生まれ、こちらも自信を持って説明ができるようになりました。
ひとつ信頼の証ができたと思えば、安いもんじゃないかなとも思います。
基礎を学べる
コーヒー屋で働いてずっと疑問に思っていたのが「このエスプレッソって美味しいのか?」ということ。
初めて飲んだエスプレッソといえば苦味が凝縮されてて、とてもじゃないけど人が飲むものじゃないという感想でしたww
それから先輩に教えてもらいながら調整方法や評価の仕方を近くで見てきて、でも美味しいと思ったことはなくて、そもそもこれって美味しいエスプレッソなのか?と思うようになりました。
お店によって、人によって正解としていることは違えど、公式とされている「美味しいエスプレッソ」を学びたかったのがバリスタライセンスを受けた1番の理由です。
実際に「これは良いエスプレッソ」「これはネガティブな味」という評価基準を学ぶことができたり、どういうふうに改善するのかといった調整方法も学べたので、調整が難しいと思っている方にも参考になると思います。
ベテランバリスタの話を聞ける
受講を通してこれが一番得たものが大きかったなと思います!
まず講師の方が今まで多くのバリスタを教えてきたベテランバリスタで、安心感がとてつもない。
経験値が豊富なのでお話されるコーヒーにまつわる話が面白いし、知らない世界を聞いているみたいで刺激を受けました。
また実技に関しても所作に無駄がなく綺麗な動きというものを、目の前で見られて貴重だったなと思います。
自分のクセを教えてもらえる
実技でエスプレッソを抽出する動作において自分のクセを指摘してもらえたのが良かったなと思います。
例えば私の場合、タンピングした後無意識にポルタフィルターを逆さまにして粉を落としてたのですが「何故それをしているのか、それだと計った粉量の意味がないのでは?」と指摘されました。
これは無意識にやっていた行動だったので、指摘されて初めて気づきました。
他の人たちにも「こういうクセがある」と言った指摘や「この動きががいいね」と褒められたりもあったので、気づきになる場面は多いのではないかと思います。
他のバリスタと交流できる
違うお店の話が聞けたり、情報交換ができたり、とても良い刺激を受けたと思います。
スクールで一緒になった方はもちろん、試験日に一緒になった人たちとも少しだけお話しする機会がありました。
人見知りの自分にとって最初はドキドキでしたが、一度話してしまえばフレンドリーな方ばかりでした。
コーヒーの資格取ろう!というような意欲的なバリスタが多いので、他にもこういう資格を取ろうと思ってるという話だったり、こういうカプチーノの練習をしている、という話が聞けて、
共感できることもあったり、尊敬できることもあったり、負けてられない!と向上心が上がるきっかけにもなったと思います。
デメリット
更新料がかかる
このライセンスには有効期限があり、取得から3年間で失効してしまいます。
更新するには費用(18,700円)を払う必要があります・・・どれだけお金かかるねん・・・
講習・試験場所が少ない
講習と試験は主に大阪と東京でしか試験が開催されていないので、受けられる人は限られると思います。
実際新幹線で来られている方もおられましたが、交通費含めたらすごい金額になるのでは・・・
お店のハンコが必要
この資格はコーヒー関連の企業に従事していることが条件となります。
一般人との差別化ができるという点においてはメリットですが、働くお店(もしくは企業)に書類へハンコを押してもらわないといけないので、少し面倒かもしれません。
また講習受講時、試験受講時の2回必要になりますので、辞める予定がある場合などはお気をつけください。
バリスタライセンスがおすすめの人
コーヒーの資格を取りたいと考えている方で「バリスタライセンス」がおすすめなのは、
・コーヒー関連企業に従事している(半年くらいは辞める予定がない人)
・イタリアーノエスプレッソについて深く学びたい人
・エスプレッソを飲める人
・大阪もしくは東京の会場にアクセスしやすい人
・約8万円を注ぎ込める人
かなと思います!
ということでバリスタライセンスレベル1を受けてみた感想について、紹介してみました。
何か新しいことに挑戦したい人や、エスプレッソをもっと知りたいという方にはうってつけの資格だと思います。
個人的には学ぶことも得ることも多くて、受けてよかったと思います◎
いつかレベル2にも挑戦して、常に学び続けられるバリスタでありたいなと思います。
参考になれば幸いです!
最後までご覧いただきありがとうござました!